本気で変わりたい会社に、本気でぶつかっていきたい

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「すごい会議」を運営しているデルフィーコンサルティング株式会社 代表取締役 久保田 記祥さん。トークノートでは、2016年に「すごい会議」を導入し、四半期売上の伸びが、前年に比べ約3倍に成長しました。2017年からは社外監査役としてトークノートに参画されている久保田さんに、今回は「すごい会議」について話を聞きました。

“事実”と“解釈”の区別を明確にする

2016年6月から、トークノートの「すごい会議」のコーチを担当しています。もともと、僕が担当していた株式会社ギフトの笹島副社長と株式会社NATTY SWANKYの田中副社長が、小池さんに「すごい会議」を紹介してくださったことがきっかけで導入していただきました。最初、小池さんは必要ないと思われていたみたいですが、信頼している二人の先輩に「やらないの!?絶対やった方がいいよ!」と何度も勧めていただいたらしく、本当に嬉しい限りです。

トークノートは、「すごい会議」導入以前から順調に売上を伸ばしていましたが、小池さん的には、より成長角度をあげていきたいという強い想いをお持ちでした。しかし、当時は目標を達成させるための実行力が弱く、そのことに問題意識を持たれていました。そこで「すごい会議」では、目標に対する実行力を上げることで、売上拡大を目指すとしてスタートしました。まず、小池さんと中枢の社員を集めてセッションを行い、それそれが抱えている問題を洗い出したのですが、いざセッションを始めてみると、まず発言の仕方に問題があることに気づきました。何が問題だったかと言うと、ほとんどの方が自分の解釈で物事を判断して発言をしていたんです。解釈はあくまでも個人の見解で、事実ではありません。たとえば、「オープンテラスのお店は、冬は寒いため客足が落ちる。」これは一見事実のように思いますが、実は解釈です。スキー場とか人気テーマパークは寒くてもお客様は来ますよね。必ずしも、“寒い=お客様が来ない”とは限らないということです。このように、原因と結果を勝手に紐付けて、結論を出してしまうと本当の問題解決に至りません。

そこで、まずは事実と解釈の区別をきちんとインストールして、解釈に基づく非生産的な会話をなくすことからはじめました。この違いが明確になったことで「本当の問題」を見つけ出し、事実に基づいた意思決定ができるようになりましたね。更にセッションを進めていくと、営業から成約までの期間が長いという問題が浮上したので、そこに焦点を絞り改善を行うことにしました。セールススクリプト、合意書のフォーマット、すべてを一から見直して、経営者相手に即成約を想定した営業手法を作成。他にも、マーケティング手法も大きく変更し、集客にも力を入れました。その結果、前年に比べて四半期売上の成長率を3倍に伸ばすことに成功。非常に勢いのあるチームになったと思います。その後、取締役会にも「すごい会議」の手法を取り入れたことで、一方的な報告の場だった役会が問題解決の場に変わりました。この2年で高い目標に挑戦できる、強い組織に変わりましたね。

本当の問題を見極めて、核心を突く

システムだけでは誰かの気持ちを動かすことはできない

僕が「すごい会議」と出会ったのは、前職の製造業に勤めていた時です。その会社では、日本で「すごい会議」を最初に始めた大橋禅太郎をコーチとして「すごい会議」を導入し、その後4年間独自で運営を続けていました。ですが、その時はすでに「すごい会議」の残骸が残っているだけで、まったく活用できていない状態でした。当時、僕は社長秘書・経営企画を担当しており、「すごい会議」を実施するミッションを与えられたのですが、全然成果が上がらなくて(笑)当時の社長の閃きにより、「すごい会議」のフォーマットに基づいて会議ができるWebサービスを開発することになり、社内に導入しました。このITサポートシステムが社内で成功。その後、僕は同社の子会社としてこのシステムを外販する会社を設立し、「すごい会議」システムを運用する側になりました。ですが、思い描いた通りには進まず、結局システムだけでは経営に違いを作ることはできなかったんです。「すごい会議」はシステムじゃ動かせない、本物のコーチが必要だと痛感しました。そして、今度は自らの力で「すごい会議」を動かしていこうと思い、コーチに転向しました。2013年には、「すごい会議」とライセンス契約を結び独立し、デルフィーコンサルティング株式会社を設立。現在、僕を含めた3名の認定コーチが在籍しています。

 自然と会話が生まれるように設計されたトークノート本社エントランス

コーチングは、相手との信頼関係から成り立つ

まだ経験が浅かった頃は、失敗もありました。セッション終了後に「久保田さんのことは信じられません」とお客様のセッションメンバーから不満の声が出てしまって、セッションが成り立たなくなったこともあります。そのときは、僕は論理的な問題に目を向け過ぎて、社員のみなさんが本当の問題解決をするために事前に対応しなくてはならないピースを見落としてしまっていたんです。その結果、信頼を得ることができませんでした。何か新しい挑戦をするときには誰しもが不安や恐れを感じ、今までの状態を維持したいと思います。その気持ちを前に動かしていくのが僕たちのミッションです。しかし、コーチ陣に少しでも隙があると、信頼を得られず、相手の気持ちを動かすことはできません。当時の僕には隙があり、結果的に社員のみなさんが新しいことにチャレンジ「しない理由」を僕自身が生んでしまった。強固なコーチングは強固な関係性から成り立つので、クライアントとの関係性が薄いと「あなたには言われたくない」と思われてしまう。誰だって自分が見たくない問題には蓋をしたいし、それをテーブルに上げて取り扱うのはストレスがかかります。そういった問題を取り扱う時にコーチに隙があり、信頼関係が築けていないと、クライアントはご自身の問題をすり替えてコーチに反発するということが生じます。ですが結局は、意思決定をするのも、実際に行動に移すのもクライアントのみなさん自身です。主体的に動いてもらうためにも、僕たちはまずクライアントと強固な信頼関係を築くことを一番大切にしています。

「思ったことをそのままぶつける」それが僕のスタイルです

僕らがセッションを進めていく中で最も気をつけているのは、些細な違和感(気をつけていなければそのまま通り過ぎてしまいそうな、うまく説明できないけれど「?」と感じるざわつきの瞬間)を見逃さないことです。たとえそのポイントがクライアント側にとっては議論しづらいような内容でも、僕は「それで整合性がとれますか?」とストレートにぶつけます。一切空気は読まないです(笑)それよりも、誰も触れない問題を放置することが一番危険。核心を突くことで空気が一変し、止まっていた歯車が動き出します。何が本当の問題か見極めて、核心を突く。これは、システムには真似できません。コーチ力は、それぞれの経験から養われるもので、コーチや運営する会社によってセッションの進め方や雰囲気が大きく変わります。ですので、僕の提供する「すごい会議」と他のコーチが提供する「すごい会議」は、別物とも言えます。

以前、僕のクライアントでもあり尊敬している先輩に「僕の価値ってなんですかね?」って質問したんです。すると、「おまえの価値は嫌われることだね」と言われて(笑)「あんなに人に嫌われるかもしれないことをはっきりと言えるのは才能だ。」と。どこかで調べて知ったような、自分でもよくわかっていない立派なことを言うよりも、よく相手を観察してその場で思ったことを言葉にする、それが僕のスタイルだとそれ以来思っています。とはいえ、これは僕のやり方で、弊社の他2人のコーチにも彼らのスタイルがあります。クライアントのタイプや抱える問題に合わせてコーチを選択し、それぞれの良さを活かしたサービスを提供する。僕が何人もいるよりも様々なタイプのコーチがいた方がいいんです。

 DRAFTの強みについて語る石原氏

目標達成と問題解決に強いトップチームを目指す

できるかじゃなくて、やりたいか

「すごい会議」では目標達成と問題解決に強いトップチームを目指し、合理的には達成できないような高い目標を設定しますが、最初はほとんどのお客様が「絶対にできません」とおっしゃいます。でも、ここで本当に大切なのは、「できるか」じゃなくて、「やりたい」と言う気持ち。そして、成功体験を積み重ねていく事です。以前、僕が担当させていただいお客様で、年間売り上げ10倍を目標に設定した事がありました。もちろん、いきなりはキツイ話です。そこで、まずは現状の3倍売ることを目指しました。それでも簡単ではないですが、本気で行動してもらいました。その結果、初年度の売り上げが約2.7倍まで成長。目標にはわずかに届きませんでしたが、チーム内にやればできるという気持ちが生まれ、次は7倍を目指し、次は10倍と徐々に目標に近づけていきました。最終的に10倍には届きませんでしたが、当初は到底不可能だと思っていた数字を達成することができました。ここでもし、最初から手の届く範囲で目標を設定していたとしたら、そこまでの伸び率もなく、成長は手の届く目標値に留まっていたと思います。

何かに困るからこそ、現状を変えるためにもがく

高い目標を達成するチームは、もがき方がうまいんですよね。成功を積み重ねるほど、目標に到達するためのもがき方は上手になります。答えがわからない中で試行錯誤して動き続けるため、到達できる結果が変わります。ですので、僕は問題が起こり、困ることが大事だと思っています。困るからこそ、人は現状をよくしようと必死になる。ポジティブシンキングとはちょっと違いますね。前向きは大切だけど、問題から目を背けてはならない。先程も言いましたが、人は意識しないと問題から目を背けたくなりますし、新しいことにチャレンジすることに抵抗を感じます。自分を過信して、「次はうまくいく!」と思って、同じ事を繰り返しては絶対ダメです。いきなり大きなチャレンジは難しい。ならば、小さな積み重ねから始めていけばいいのです。できるかできないかじゃなくて、やりたい気持ちが重要です。僕はそんな覚悟を決めた人が、目標に向かって全力でもがき続けられるようサポートしたいですね。

会社をよくするための気概はあるか

僕は、「すごい会議」を通して、『短期的な自分の利得のためではない判断』ができる会社をつくりたいと思っています。短期的な利益を追うのは意外に簡単だったりしますが、長期的に企業価値を上げようとするとそうはいきません。「すごい会議」を通して様々な会社の経営に携わってきた中で、会社の成長には、会社よくするための気概こそが重要だと実感してきました。セッションでは問題解決のために様々なアイディアが出ますが、残念ながらその施策で関わる人間全員が幸せにはなるとは限りません。そこで、誰かが割りを食う思いをするとしても、会社の成長のために最善なものは何かを見極め、決断するという覚悟が求められます。長期的な成果を手にするには、短期的な損失はやむ終えない場合が発生してしまう。だとしてもチャレンジするんだという気概が、結果的に大きな成功へ導くと僕は考えています。僕が今まで担当してきた会社の中にも、「この瞬間にこの意思決定をしたら、この人が苦しむ」というような厳しい選択を強いられた会社、経営者の方は何人もいます。ですが結果的に、長期視点で損をした人は見たことがありません。短期的な個人の幸せより長期的な会社全体(中にいる人材も含む)の幸せを考える。その結果が、長期的な個人の幸せにも繋がります。「できるかできないか」ではなく、「やりたいかやりたくないか」。その方が、人生面白いですよね。「業界で1位になりたい」、「売上を10倍にしたい」など、無理と思われる高い目標を真剣に目指す会社に、僕も本気でぶつかっていきたいです。

VOL.07Talknote生き方