言葉を考えることで知った、それぞれの想い

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2017年2月に正式にキックオフした“理念再考プロジェクト”。代表小池を中心として、パートナー企業の協力を得ながら、丸2日間かけた全社員でのセッションやマネージャー層の合宿でのディスカッションを経て、2017年6月20日の“LIFE”“STORY”正式発表に至りました。今回は、新しい企業理念のコピーライティングに携わった株式会社ザッツ・オールライトの梅田 武志さんに、話を聞きました。

理念を浸透させることで、成功へ導く

ぼくがトークノートの理念再考プロジェクトに関わることになったのは、株式会社Plan・Do・Seeの小池 幸仁さんから「理念に関するプロジェクトを一緒にやらないか」と声をかけてもらったことがきっかけです。トークノートが社内SNSを提供している会社というのは以前から知っていました。有名な会社の活用事例がSNSのタイムラインに流れてきたり、知り合いの何人かが記事をシェアしたりしていたのが自然と目に入っていました。記事や広告表現にまったく嫌味がなく、プロモーションの仕方がうまい会社だというのがトークノートの印象でした。

Plan・Do・Seeとは今までもいろいろなプロジェクトを一緒にやってきました。幸仁さんと一緒に仕事をしたのは、彼が京都で店舗の責任者をやっていたころに、その店舗と事業のブランディングで関わったのが最初です。幸仁さんは企業理念を浸透させることが事業の成功に大きな影響を与えると、これまでの経験で理解していました。なので、今回小池社長から理念浸透に関しての問題意識を聞いたとき、「これはやるべきだな」とピンときて、ぼくに一緒にやろうと声をかけてくれたのだと思います。

今ある問題を本気でどうにかしたい

理念をつくるのであれば、トークノートの現状を正確にインプットしたい。まずは情報収集のためにマネージャー層へのヒアリングを行いました。率直に言うと、みなさん結構溜まっていらっしゃるようでした(笑)。でも、ただ不満があるというわけではなく、事業を成長させようという想いが強い。だからこそ理想と現状にギャップを感じ、問題意識を持っていても解決策が見えない状態で、ストレスを感じていたのではないでしょうか。インタビューは想定していたよりも大幅に時間を超えましたが、とことんヒアリングしました。ほかの企業でも理念再考に携わったことはありますが、ヒアリングの時点で諦めの声が聞こえるということも少なくありません。だから時間をオーバーしてまで話してくれること自体、すごくポジティブなことだと捉えていました。

インタビューでは「すべての人をハッピーに」という当時の理念に対して、みなさんがどのように考えているのかも聞いていきました。それぞれが当時の理念に対して想いをもっているようでしたが、ただそれぞれ解釈が違っている。まずはそれを解消する必要があると思いました。小池社長もその状況に課題を感じていらっしゃいました。幸仁さんから重いバトンを受け取ったと思いましたね。会社の規模がどんどん大きくなる上で“成長痛”のような苦しい時期が絶対にあると思います。理念再考を依頼される企業もそういう成長期に差し掛かったゆえの難しさを抱えられていることが多いと感じます。成長が鈍化して危機感を持って理念再考に取り組まれる会社もありますが、そういうケースは割と少ない。トークノートは、会社が成長して優秀な社員が増えていた反面で、社内をひとつにまとめることがだんだんと難しくなり、意思の疎通が取りにくくなっている。まさにそういう状況でした。

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納得できるまでとことん話す

そのあと、全社員で2日間に渡りセッションを行いました。セッションのファシリテーターは幸仁さんで、ぼくはその場に同席させてもらい、みなさんがどんな問題意識を持っているのかをひたすらインプットしました。ぼくの率直な感想は、思っていたよりもフラットな環境だったということ。年齢が若い人も社歴が浅い人も、社長の前で臆することなく積極的に意見を言っていたことが印象に残っています。納得できていないことがあれば、それをちゃんと伝えながら理解できるまでとことん議論していました。納得できなかったとしても、そのことを伝えないし議論もしない会社もある。そもそも議論できるレベルまで考えようとしない人もいます。トークノートの社員は物事に真剣に向き合って、正直に想いを伝えあって議論する。こうやってトークノートのフラットな雰囲気はつくられているとセッションを見ながら気づきました。

ぼくの仕事はセッション終了後からが本番ですが、正直にいうと結構苦戦しました。まずセッションで出た言葉をひとつひとつ整理し、コアになる言葉を見つけ、再定義していきます。みなさんの発言から、Talknoteのサービスコンセプトでもある「いい会社をつくる」という言葉が浸透していると感じました。では、トークノートが目指す「いい会社」とは何か。小池社長がどんな会社を思い描いていたか、また発言のなかから探す。このような作業を繰り返して行きます。

「いい会社」の定義については、小池社長の“一兆円企業をつくる”という譲れない夢を大きなヒントにイメージしていきました。ぼくは小池社長の夢を応援するにあたって、とにかく会社の成長を止めてはいけない、どんどん伸びていけるような会社にしなければならないと考えました。そう思って、そのときのぼくが考えた言葉は「強い会社をつくる」でした。「すべての人をハッピーに」という当時の理念が社内で大切にされているのは理解していました。でも、ハッピーになるためには売上が上がる強い組織である必要がある。お客様の心には「強い会社」みたいなフレーズのほうが届きやすいのではないかと思いました。会社が強くなって、売上が上がれば、結果的にみんなのハッピーに繋がる。「強い会社をつくる」は、小池社長の夢とこれから出会っていくお客様を意識した言葉でした。

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社員が幸せでないと誰も幸せにすることはできない

みんなの想いを尊重してやっていきたい

ただ「強い会社をつくる」という理念はいまいち刺さらなかった。マネージャー層との会議で発表したときに「この言葉じゃ今の社員は入社していない」と言われてしまいました。「いい会社をつくる」に共感して入社した社員が多いので、「強い会社をつくる」では理想としている会社のイメージと乖離してしまう。たしかに新しい概念だったと思うので、今いる社員がどのように思うかを懸念する気持ちはよく理解できます。ぼくとしては社長やマネージャーがこの言葉を使ってみんなを引っ張っていくのはどうかと提案したのですが、全員の想いを尊重したいと強い意志があり、もう一度やり直そうという話になりました。

再度、セッションで出たみなさんの言葉をすべて貼り出して、一から考え直しました。そうすると、やっぱり当時の理念の「すべての人をハッピーに」という言葉は外せなくなりました。小池社長も社員のみなさんもこの言葉に対しては、譲れない気持ちがあるように見えました。覚悟を決めてこの言葉を選んでいる。それであれば、今後事業を進めていく上で、言葉の解釈に違いがうまれないように、「すべての人」とは誰を指すのか、どうゆう順番でハッピーにするのかを明確にしました。最終的に、「すべての人」は社員、顧客、そして株主や取引先であるパートナーであるという結論に至りました。理由は、まず社員が幸せでないと、誰も幸せにすることはできないというのが小池社長の考えだったからです。小池社長やマネージャーのみなさん考えを尊重しながら、具体的に表現し、議論を進めました。特に、「愛し愛され」という言葉に関しては多くの時間をかけて話し合いました。会議室に男性5人で集まって、愛とはなにか熱く語り合ったのは今となってはいい思い出です(笑)。 小池社長は言葉のニュアンスをすごく大切にしている方なので、ぼくも提案する言葉にはこだわりました。直接そのような話をしたわけではないですが、小池社長自身がきっと言葉に大きな影響を与えられた経験があるような気がしました。言葉が与える影響力の大きさを知っているからこそ、細部にこだわって言葉を決めようとしている。議論を進めるなかでそのように感じました。インタビューやセッション、複数回の議論を経て、ようやく社員の想いである”LIFE”と事業の指針である”STORY”ができました。

夢の実現を本気で応援したい

小池社長に対する印象は、最初と最後で大きく変わりました。初めてお会いしたときは、カジュアルな服装でいらっしゃったのですが、年齢の若さと見た目も相まってこれまで会ってきた経営者とはまったく違うタイプだろうと思いました。これが六本木のIT企業の社長か!と思いました(笑)。しかも“一兆円企業をつくる”という壮大な夢を語っていて、本気なのかとちょっと疑っていました。

理念再考プロジェクトが進んでいくうちに、小池社長の人となりがわかってきて印象が変わっていきました。勝手に想像したイメージとは裏腹に派手な生活をしているわけでもなく、自分の夢を追いかけながら純粋に人を幸せにしたいと思って会社をやっている。一兆円企業に関しても、本気でつくりたいと思っている。ぼくも自分で世の中の一兆円企業について調べてみて、もう一度本気かどうか聞いてみましたが、やっぱり本気で実現したいとおっしゃる。それであれば、ぼくも本気で社長の夢をお手伝いしようと決めました。トークノートがさらに成長できるように、ぼくも本気で取り組んで向き合った結果が今回の理念再考です。小池社長の夢を実現させるためにも、トークノートはこのマーケットでずっと成長し続ける会社であってもらいたいです。

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納得できるまでやりきることが、満足いく結果を生む

納得するまで突き詰める

ぼくが仕事をする上で大切にしていていることは、ぼく自身が納得することです。今回の理念再考プロジェクト自体も比較的長期でしたが、長すぎると思うことはなかったです。ぼくもクライアントも、お互いが納得して話を進めていくことを重要視しています。お客様に言われたことをそのまま形にすることは簡単です。でもそれではぼくが納得できない。いただいた言葉をとことん理解し、整理をして、突き詰めて、お互いに納得できるまでやりきることが、満足いく結果を生むと思っています。

もうひとつ、ぼくが仕事をする上で大切にしていることがあります。生み出された言葉が会社の規模が大きくなっても、全員に影響を与え続けられるかどうかです。かっこいいだけの言葉はたくさんあります。そうゆう雰囲気だけの言葉は理解されなかったり社員に影響を与えられなかったり、結局浸透せずに終わってしまうことが多いです。ぼくが関わっていくことの意味は、なんとなくよさそうな言葉ではなく、浸透する言葉を客観的につくり出せることだと思っています。すごく時間もかかるので「泥臭く頑張っているね」と周りから言われることがありますが、いいと思える言葉が出るまで諦めませんし、終われないです。

ぼくらが面白いと思ったことを本気でやる

面白いと思うことを本気でやることが、ぼくらザッツ・オールライトという会社です。会社を立ち上げて、最初に“OPPAI NOTE”というものをつくりました。ふざけたものだと思われるかもしれませんが、面白いと思ったものを真面目に本気でやることがぼくらのやり方です。このノートの制作にあたっても、撮影時の角度とかノートに使う紙とか、いろいろ意見を出し合いながら真剣につくりました。文字を書く部分にも全面に印刷を施しているので、ちゃんとペンでも描きやすい紙と印刷のインクを使っています。当時、“OPPAI NOTE”をお客様のところに持って行って、「これがぼくらの会社案内です」と言っていました。この作品で、ぼくらのクリエイティビティとクオリティを見てもらい、これを面白いと思っていただける方とは、きっといい仕事ができるのではないかという狙いがありました。かといって、ぼくらは仕事を選ぶわけではありません。依頼はできる限りなんでもやりますし、ぼくらに仕事を依頼してくださることへ感謝して向き合います。そう思うようになったきっかけは、まだキャリアが浅かったころにクライアントの方に本気で怒られた経験からです。クライアントの仕事に対しての想いや、どんな気持ちでぼくらに頼んでくれたのか、それがどれほどありがたいことなのかということを、怒られたことで痛感しました。そのときのどうしようもない、やるせない気持ちだけは、もう二度と繰り返したくはないので、どんな仕事も感謝の気持ちを忘れずに本気でやると決めています。これからも、今のぼくらにはまだ想像できないような面白い仕事にチャレンジし続けていきたいです。

VOL.05Talknote生き方